暮しの仮想通貨

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【仮想通貨と確定申告】コラム 仮想通貨間取引の日本円レートはどうやって決めるの?

先日のタックスアンサーにより、現在のところ仮想通貨間取引も課税の可能性が濃厚。

となるとみなさん、税額計算にお悩みですよね。。

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そんな折、マナ様がよいタイミングで記事にして下さいました。

bitcoiner.link

記事の一文を引用させていただきます。

この時の売買益に対する納税額を計算する場合、売買をした時間(〇月〇日〇時〇分〇秒)のビットコインの相場を正確に調べないと、正確な利確額も納税額も出せない。

そうなんですよ、僕もそう思っていました。

しかし先日のコラムを書くにあたって、あれこれ考えて気づきました。

ひょっとして、取引時点の日本円レートって、実は納税額にあまり影響しない?

どういうことなのか、解説してみます。

 

具体例

 

まずは購入した通貨が順当に伸びた場合。

ケースA

取引1:10万円で1BTC購入

取引2:1BTCで10ETH購入(1BTC = 20万円の時) 利益 = 20万円 - 10万円 = 10万円

取引3:10ETHを30万円で売却 利益 = 30万円 - 20万円 = 10万円

通算利益 20万円

BTCをETHに替えた時に利確、そしてETHをJPYに替えた時にまた利確となります。

次は、BTC一気に伸びた時にETHに変え、その後下げた時。

ケースB

取引1:10万円で1BTC購入

取引2:1BTCで10ETH購入(1BTC = 50万円の時) 利益 = 50万円 - 10万円 = 40万円

取引3:10ETHを30万円で売却 利益 = 30万円 - 50万円 = ▲20万円

通算利益 20万円

BTCをETHに替えた時に大きく利確!、しかしETHをJPYに替えた時は損切りとなります。 

つまり上記2つのケース、

  • 10万円で1BTC購入という出発点
  • 10ETHを30万円で売却という着地点

は同一ですが、中間の仮想通貨間取引における日本円評価レートのみ異なります。

ということは、言い換えれば、中間のレートはどんなレートでも、着地点が同一であれば、税額は同じということです。

上記例ではスタートから着地まで、3回の取引を行っています。

その場合利益計算が2回生じるのですが、1回目の利益が大きければ、2回目の利益は低くなる、そんな関係だと言えます。なので、中間の取引時点の日本円レートは、実はあまり意味を持ちません。

その年の税額に影響するとすれば、取引2が終了した時点で12月31日を迎えた場合。

その際の利益は、ケースAでは10万円、ケースBでは40万円となります。こうなると税額が相当異なります。

しかし翌年はどうでしょう。

取引3を行ったのが翌年で、その後取引することなく12月31日を迎えたら、その年の利益は、ケースAでは10万円、ケースBでは▲20万円となります。はい、1年目はケースBの方が税金が高かったですが、2年目はケースBの方が税金が安いです!つまり、通算すれば中間のレートがいくらでも利益は同じ!

 

利益は同じ、でも税額は?

 

はい、そこですよね。賢明なみなさんはとっくにお気づきかと思います。

ケースBの2年目の利益は▲20万円ですが、税額は0円。それでおしまい。「雑所得」は利益が出れば課税ですが、損益を翌年に繰り越すことができません(泣)

なので、複数年通算した時の税額が同じになるということではない点には注意が必要です。しかし、仮想通貨の市場は当面伸びつづけることを信じて、毎年利益を出すぞ!という期待でトレードされている方がほとんどかと思いますので、この点はあまり意識をしなくて良いのではないかと思います。個人的には。

あと、複数年で通算した際の税額を考える時には、課税の累進性も考慮する必要もありますね。複数年通算したときの利益が同じでも、ある年の利益が大きければその年の税率は大きくなる可能性があります。

 

日本円レートはどうやってきめるの? 

 

以上を踏まえて、仮想通貨間取引時点の日本円レートを正確に求める必要はない、というのが僕の結論です。

つまり、取得しやすいおおよそのレートで良いのです。ただ、取引ごとにそのレートをきめるルールにばらつきがあると、税額調整のために恣意的に変更していると税務署に判断される可能性があるので、一定のルールで取得するのが良いでしょう。例えば、コインチェックの終値のレートを必ず用いる、など。

税理士の丸山先生の記事を参考にさせていただきました。

mr-zeirishi.com

 

棚卸すればもっと簡単?

 

そういえば、以前書きましたね。棚卸の記事

販売業では通常、販売の都度利益計算なんでしないんです。

理由は、面倒だから。

それでもちゃんと利益額を計算できるのは、棚卸の考え方があるからでした。

仮想通貨でも、同じなんじゃないでしょうか?

棚卸の記事からざっくり引用すると、

粗利(売上総利益)= 売上高 ー 売上原価

売上原価 = 期首在庫 + 1年間の仕入合計 - 期末在庫

期末在庫 = 棚卸数量 × 仕入れ単価

という関係でした。

仮想通貨取引で言う「利益」は一番上の式の「粗利」のこと。

式より、利益を求めるのにまず必要なものは、

  • 売上高
  • 売上原価

です。 

売上高は、一年間に仮想通貨を売却して得たJPY総額です。 仮想通貨間取引は無視してください。実際に入金されたJPYのみの総額です。

売上原価を求めるには、

  • 期首在庫
  • 1年間の仕入合計
  • 期末在庫

が必要です。

期首在庫は、1月1日に持っていたポジションの取得原価。もっていなければ0で良いです。

1年間の仕入合計は、仮想通貨購入に使用したJPY総額です。売上高同様、こちらも仮想通貨間取引は無視して大丈夫です。実際に支出したJPYのみの総額です。

期末在庫は、12月31日時点で保有しているポジションの取得原価です。

期末在庫は、

  • 棚卸数量
  • 仕入れ単価

で求めます。

棚卸数量は、文字どおり、仮想通貨の数量です。

仕入れ単価は、最終的に購入した時点での日本円レートです。

するとどうでしょう、棚卸をするように、12月31日時点で保有する通貨の数量と仕入れ単価がわかれば、利益額が計算できてしまうことになります。

これなら、日本円レートを探してこなければならないのは、12月31日に保有しているポジションのもののみで良いことになります。ぐっと手間が省けますね。

 

ここで注意!

 

いわゆる三分法での計算でした。

これですごく簡単に利益計算できるはずですが、税務署が、このほうほうで良いと言ってくれるかどうかは、別問題!

もういまさら全部の取引の日本円レートなんて、いまさら求めてられないよ!

とさじを投げてしまいそうな方。諦めて確定申告スルーしてしまうより、この方法で利益計算してみて、「三分法による計算です。」と主張して確定申告されるのはいかがでしょう。むしろ会計の世界では三分法の方がスタンダードなので、あらかじめ税務署にお伺いをたてるのものよいかもしれませんね。もちろんこの方法で絶対に大丈夫、と保証しているわけではありません、あしからず。

理論上は分記法で記帳した場合と同じ結果になるはずなんですが、実際僕もまだ両方試して結果が一致することを確認したわけではありません。

今度時間がある時にやってみます!